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どうやって作ったの?Private Desk開発ストーリーと技術の工夫

「欲しい機能を備えたアプリが見つからない──なら、自分で作ってしまおう」

これは、私がPrivate Deskの開発を始めたときの正直な気持ちです。


以前からパスワード管理アプリを使っていましたが、利用時に毎回ログインが必要だったり、データをクラウドに置かざるを得ない点に不満がありました。SESとして客先常駐の仕事をしていると、クラウド保存に対する抵抗感は世代的な背景もあって強く、「完全ローカルで動く、安全な統合管理アプリ」という構想が自然と形になっていきました。


開発のきっかけ


  • 既存のパスワード管理アプリはログイン必須で煩わしい

  • クラウド保存は避けたい(特に仕事の情報はローカル管理したい)

  • 案件とパスワードをHTML+JavaScriptで管理していたが、月ごとの切り替えが面倒

  • 日報やWikiも併せて使える統合環境がほしかった

  • 起動時に毎回パスワードを入力する仕様にも抵抗があった

こうした不満が積み重なり、「自分仕様のアプリを作る」という決断に至りました。


採用した技術と理由


  • Next.js + Electron(Nextron)

    Reactベースの開発効率と、ElectronによるWindowsアプリ化を両立。Nextronは両者をスムーズに統合できるため採用。

  • Electron-store

    当初SQLiteを検討していましたが、設定や運用を簡単にするためElectron-storeを採用。暗号化オプションを有効化し、ローカル専用として安全性を確保。

  • Windows専用仕様

    キャッシュやPWA化は行わず、クロスプラットフォームより安定動作を優先。

  • GitHubでリポジトリ管理

  • AI支援:OpenAI Codex + Claude Code

    Codexは機能実装、Claude Codeはデザインや文章調整に利用。


開発の流れ


  1. パスワード管理機能をまず実装

  2. 日報・Wiki機能を追加

  3. 中盤でテストケース作成、ドキュメント整備、コード統一によるリファクタリング

  4. CodexとClaude Codeを使い分け

    • Codex:機能実装

    • Claude Code:UI調整・文章生成

    • Claude Code利用時に不具合が発生し、GitHubで前日分まで巻き戻した経験もあり

  5. 開発期間:約3週間(平日2〜3時間/土日5時間)→ 総工数は約60〜80時間


苦労したこと


  • Electronでのアイコン設定

    初めてのElectron開発で、アイコン反映の設定に何度もつまずいた。

  • AIツールの制限

    Claude Codeは使用制限に引っかかることがあり、計画的な利用が必要だった。


完成して得られたこと


  • 必要だから作るという動機が、最後までモチベーションを支えた

  • AI支援を活用すれば、短期間でも十分実用的なアプリを作れる

  • 小さく作って拡張するというプロトタイピング型開発が自分に合っていると再確認できた


まとめ


Private Deskは、「自分に必要な機能だけを、安全に、シンプルに使える」ことを最優先に作ったアプリです。

開発の過程で、既存アプリの不満点や業務上の制約が明確になり、それを解消する形で機能が進化していきました。

もしあなたが、「欲しいアプリが見つからない」と感じているなら、ゼロから作るという選択肢もあります。

AIやフレームワークを活用すれば、想像以上に短期間で、理想のツールを形にできるはずです。



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